化粧品OEMメーカーは大きな会社から小さな会社まで様々ですが、中でも最も有名かつ最大手と言っても過言ではない会社が、TOA株式会社ではないでしょうか。数々のヒット商品を生み出し、OEMだけでなくODMまで手掛ける会社です。
この記事では、TOAはどのような製品を作っているのか、他のOEMメーカーと比較した際のメリットやデメリットを解説したいと思います。
株式会社TOAの会社概要

会社名 | TOA株式会社 |
本社 | 〒541-0041 |
公式サイトURL |

TOA株式会社は、OEM・ODM事業において国内有数の実績を持つ総合化粧品メーカーです。スキンケア・ヘアケア・メイクアップといった多彩な分野に対応し、固形石鹸やペンシル製品を除くほぼすべての化粧品製造が可能です。
社内には約200名の研究員が在籍し、処方の90%以上を自社で開発しているため、高い開発力と品質が強みです。国内7か所の自社工場による安定供給体制のもと、量産から小ロットまで柔軟に対応できます。
近年はメイクアップ分野にも注力しており、トレンドに応じた商品提案も可能。企画から納品までワンストップで依頼できる点も、信頼できるパートナーとして多くの企業に選ばれる理由のひとつです。
TOAの特徴

TOAは、長年の歴史の中で培ってきた確かな技術とノウハウを基に、顧客の多様なニーズに応えるための強みを持っています。
OEM/ODM両方に対応

TOAは、OEM(Original Equipment Manufacturing)だけでなく、ODM(Original Design Manufacturing)にも対応しています。製品の企画・開発から製造まで一貫して請け負うことが可能です。顧客は、自社のブランドイメージやコンセプトに合った製品を、TOAのサポートのもとで実現できます。
オリジナル原料の開発力

TOAは、自社でオリジナル原料の開発も行っています。他社にはない独自の原料を使用することで、差別化された製品開発が可能です。また、原料開発から製品化まで一貫して行えるため、品質管理の面でも優れています。
国内7箇所に工場を所有

TOAは、日本国内に7箇所の工場を所有しています。分散された工場ネットワークにより、安定した生産体制と供給体制を確保しています。これにより、顧客の需要変動に柔軟に対応できるだけでなく、BCP(事業継続計画)の観点からも強みとなります。2025年3月3日には、新たに結城工場が稼働を開始しました。
徹底した品質保証体制

TOAは、製品の品質保証体制にも力を入れています。研究開発部門と独立した品質保証システムを構築し、製品の安全性と信頼性を確保しています。顧客に安心して製品を提供できるよう、徹底した品質管理を行っています。
TOAの得意分野

TOAは、幅広い化粧品分野において豊富な実績とノウハウを持っています。
基礎化粧品
スキンケア製品全般(化粧水、乳液、美容液、クリームなど)メイクアップ化粧品
ベースメイク(ファンデーション、化粧下地、コンシーラーなど)、ポイントメイク(口紅、アイシャドウ、マスカラなど)頭髪化粧品(ヘアケア)
シャンプー、コンディショナー、トリートメント、スタイリング剤などネイル化粧品
ネイルカラー、ネイルケア製品フレグランス
香水、ルームフレグランス健康食品
サプリメント、健康補助食品その他
石鹸、ベビーパウダーなどディスペンサー&エアレス容器
化粧品容器の開発・製造
製品の割合としては、スキンケア製品が45%、メイクアップ製品が35%、ヘアケア製品が15%、その他が5%となっています。化粧品全般に幅広く対応しており、容器の開発・製造まで手掛けている点が特徴です。
TOAの事業内容

TOAは、化粧品OEM/ODMの専門メーカーとして、企画・処方開発から、設計・製造、そして納品まで、顧客のニーズに応じたきめ細やかなサービスを提供しています。
年間約8,000アイテムもの製品を手がけ、国内外500社以上の顧客企業との取引実績があります。
OEM/ODMサービス「TOA (Total Outsourcing Access)」

TOAは、自社のサービスを「TOA (Total Outsourcing Access)」と称しています。これは、化粧品分野における多様な外部委託ニーズに応えるための、包括的なソリューションを意味します。顧客は、TOAのサポートのもとで、製品コンセプトの立案から、処方開発、デザイン、販売戦略に至るまで、あらゆる段階で支援を受けることができます。
TOAは、100年以上にわたる化粧品開発のデータベースを構築しており、年間約1000SKUの新処方を発行するスピーディな製剤開発力が強みです。約200人の研究員が、営業部や生産部と連携し、顧客の要望を形にします。
研究開発体制

TOAは、研究開発にも積極的に取り組んでいます。国内6箇所の研究施設で、100年以上にわたり化粧品の開発と研究を続けてきました。約200名の研究員を擁し、製品処方の90%以上を自社内で開発しており、常に最新の業界トレンドや顧客ニーズに対応できる体制を整えています。また、化粧品の原料から製品まで、有効性評価を行う施設も保有しています。
TOAは、皮膚科学をはじめとする基礎研究、最新技術、オリジナル原料を融合させることで、高機能かつ独自性の高い製品をスピーディーに提案します。法申請やマーケティングまでサポート可能な、トータルな視野で商品開発を行う専門集団です。
グローバル展開

TOAは、日本国内だけでなく、中国やベトナムにも生産・供給体制を確立しています。海外市場の状況にも精通しており、グローバルな視点での製品開発やビジネス展開をサポートしています。世界120カ国以上への販売活動を展開しており、グローバルブランドの確立を目指しています。
TOAは、世界各エリアで最適な生産体制と販売体制を実現する「地産地消」型のビジネスを展開しています。
TOAの沿革

TOAは、100年以上の歴史を持つ老舗企業です。その長い歴史の中で、数々のヒット製品を生み出してきました。
1934年: 東亞特殊電機製作所として創業。トランペットスピーカー、マイクロホン等の製造販売を開始。
1949年: 法人組織に改組し、東亞特殊電機株式会社を設立。
1989年: 神戸市中央区に本社社屋を新設し、社名を「TOA株式会社」に変更。
2024年: 日本コルマー株式会社からTOA株式会社へ社名を変更。
TOAの品質管理

TOAは、顧客に安全で高品質な製品を提供するため、徹底した品質管理体制を構築しています。
独立した品質保証システム: 生産部門や研究開発部門から独立した品質保証部門を設置し、客観的な視点から品質管理を行っています。
国内7工場での分散生産: 国内に7つの工場を持つことで、安定した生産体制を確保し、BCP対策にも貢献しています。
品質保証の国際規格「ISO9001」認証取得: 世界が認めた品質・サービスをお届けしています。
TOAは、原材料調達から製品出荷まで、各工程で品質管理部員による品質検査が行われています。
TOAは、長年の歴史と実績に裏打ちされた確かな技術とノウハウで、顧客の多様なニーズに応えることのできる、信頼できるパートナーです。
TOAのOEM化粧品製造の流れ

TOAは、顧客のブランドコンセプトやニーズに基づき、高品質なOEM化粧品を開発・製造しています。ここでは、TOAにおけるOEM化粧品が完成するまでの一般的な流れを解説します。
1. 企画・コンセプト設計

この工程では、顧客との綿密な打ち合わせを重ね、製品開発の方向性を決定します。具体的には、以下のような項目について話し合います。
製品コンセプト:顧客がどのような製品を作りたいのか、その核となるコンセプトを明確にします。
ターゲット層:どのような顧客に製品を届けたいのか、年齢、性別、ライフスタイルなどを考慮してターゲット層を定めます。
価格帯:顧客が設定する販売価格を考慮し、製品の原価を決定します。
販売戦略:どのようなチャネルで販売するのか、広告やプロモーションの方法など、具体的な販売戦略を検討します。
市場調査・トレンド分析:顧客の要望だけでなく、現在の市場動向や消費者のニーズを把握するために、市場調査やトレンド分析を行います。これにより、売れる製品の土台を築きます。
2. 処方開発

企画・コンセプト設計で決定した内容に基づき、具体的な処方を開発します。
原料選定:製品の目的やコンセプトに合致する最適な原料を選定します。安全性や機能性はもちろん、使用感や香りなども考慮します。
処方設計:選定した原料を組み合わせ、製品の処方を設計します。安定性や製造工程における実現可能性も考慮します。
安全性・機能性評価:開発した処方について、安全性や機能性を評価する試験を行います。必要に応じて、改良を行います。
独自技術の活用:TOAが長年培ってきた技術やノウハウ、独自に開発した原料などを活用し、他社との差別化を図ります。
TOAは、長年培ってきた技術とノウハウを活かし、安全性と機能性を両立させた処方を提案します。
3. 試作

処方開発で決定した内容に基づいて、実際に製品の試作品を製造します。
試作製造:開発した処方に基づき、小ロットで試作品を製造します。製造工程の確認や、品質の安定性を評価します。
顧客評価:製造した試作品を顧客に提供し、使用感や効果について評価を受けます。顧客からのフィードバックを参考に、処方やデザインの修正を行います。
改良:顧客からの評価や、社内での検討結果に基づき、処方やデザインの改良を行います。必要に応じて、試作製造と顧客評価を繰り返します。
複数回の試作:理想の製品に近づけるために、複数回の試作を重ねることがあります。
顧客による使用感や効果の評価、修正を重ね、理想の製品に近づけていきます。
4. デザイン・容器選定

製品の魅力を最大限に引き出すデザインや容器を選定します。
デザインコンセプト:製品コンセプトやターゲット層に合わせて、デザインの方向性を決定します。
容器選定:製品の特性やデザインコンセプトに合致する容器を選定します。使いやすさや、製品の保護性も考慮します。
デザイン制作:専門のデザイナーが、製品のパッケージやラベルのデザインを制作します。
法規制の確認:デザインや表示について、関連する法規制(薬機法など)に適合していることを確認します。
ブランドイメージに合致したデザイン、使いやすさを考慮した容器を提案します。
5. 製造

最終的な処方とデザインが決定したら、実際の製造工程に入ります。
製造計画:顧客の要望する数量や納期に合わせて、詳細な製造計画を立案します。
原料調達:必要な原料を調達します。品質や価格だけでなく、安定供給が可能な業者を選定します。
製造工程:確立された製造工程に従い、製品を製造します。各工程において、厳格な品質管理を行います。
包装:製品を容器に充填し、ラベルを貼付するなど、最終的な包装を行います。
環境への配慮:製造工程において、環境への負荷を低減するための取り組みを行います。
TOAは、国内に複数の工場を持ち、安定した生産体制を確立しています。
6. 品質検査

製造された製品が、設定された品質基準を満たしているかを確認します。
原料検査:受け入れた原料が、品質基準を満たしているか検査します。
工程内検査:製造工程の各段階で、製品の品質を検査します。
最終製品検査:完成した製品について、外観、内容量、成分、微生物など、多岐にわたる項目を検査します。
安定性試験:製品の品質が、一定期間安定しているかを確認する試験を行います。
官能評価:必要に応じて、専門家による官能評価(色、香り、使用感など)を行います。
安全性はもちろん、機能性や安定性も厳しくチェックします。
7. 納品

すべての品質検査に合格した製品を、顧客の指定する場所へ納品します。
納品計画:顧客と納品場所、日時などを調整し、詳細な納品計画を立てます。
出荷:最終的な製品の数量を確認し、出荷します。
輸送:製品が破損しないよう、適切な方法で輸送します。
納品:顧客の指定する場所に、製品を納品します。
アフターフォロー:納品後も、製品に関する問い合わせや相談に丁寧に対応します。
TOAは、これらの工程を一貫して行うことで、顧客の多様なニーズに応え、高品質なOEM化粧品を提供しています。
OEM化粧品メーカーの選び方

OEM化粧品メーカーを選ぶにあたっては、自社のブランドコンセプトや製品イメージに合致し、高品質な製品を安定的に供給できるパートナーを見つけることが、ビジネス成功の鍵となります。
多くのメーカーが存在する中で、最適なパートナーをどのように選べばよいのでしょうか。ここでは、OEM化粧品メーカー選びで重要なポイントを解説します。
1. 実績と得意分野

まず、メーカーの実績と得意分野をしっかりと確認しましょう。これまでにどのようなブランドの製品を製造してきたのか、具体的な実績を確認することは非常に重要です。
実績は、そのメーカーの技術力や対応力を示す指標となります。メーカーによって、スキンケア、メイクアップ、ヘアケアなど、得意とする製品カテゴリーが異なります。自社の製品に合ったメーカーを選ぶことで、より専門性の高いサポートが期待できます。独自技術や特許の有無、充実した研究開発体制があるかどうかも確認しておきたいポイントです。
高い技術力を持つメーカーは、差別化された製品開発に貢献してくれるでしょう。
2. 品質管理体制

消費者が安心して使用できる製品を提供するためには、徹底した品質管理体制が整っているメーカーを選ぶことが不可欠です。
ISO9001などの国際規格認証の取得状況は、品質管理体制の信頼性を示す上で参考になります。原料の受け入れから製造、出荷までの各工程において、厳格な品質管理が行われているかを確認しましょう。
製品の安全性や機能性を評価するための検査体制が整っているかどうかも、重要な判断材料となります。
3. 対応力

OEMメーカーには、企画から納品まで一貫したサポートを期待できますが、その対応力はメーカーによって大きく異なります。
製品コンセプトやターゲット層に合わせて、具体的な製品企画や処方を提案してくれるメーカーを選びましょう。顧客の要望をしっかりと形にするための開発力があるか、試作や改良に柔軟に対応してくれるかどうかも確認しておきたい点です。必要な数量を、必要な納期までに安定的に供給できる生産体制が整っているか確認しましょう。
化粧品製造販売業許可や製造業許可など、化粧品ビジネスに必要な許可をしっかりと取得しているかどうかも確認しておきましょう。
4. コミュニケーション

OEMメーカーとの密なコミュニケーションは、円滑な製品開発・製造を行う上で非常に重要です。
担当者が親身に対応してくれるか、こちらの要望を丁寧にヒアリングしてくれるかを確認しましょう。製品開発の進捗状況や課題などを、適切に共有してくれる仕組みがあるかどうかも確認しておきたい点です。トラブル発生時に、迅速かつ適切に対応してくれるメーカーを選びましょう。
5. 価格

価格も重要な選定基準の一つですが、安さだけでなく、品質や対応力とのバランスを考慮することが大切です。
見積もりの内訳を明確に提示してくれるか確認しましょう。価格交渉に柔軟に対応してくれるかどうかも確認しておきたい点です。最終的な費用対効果をしっかりと考慮し、価格に見合った価値を提供してくれるメーカーを選びましょう。
これらのポイントを総合的に判断し、自社のビジネスを成功に導く最適なOEM化粧品メーカーを選びましょう。
幅広い商品に対応しているOEMメーカー

ここまでTOA株式会社の特徴や評判について紹介してきました。
TOAのように幅広い製品に対応してくれるOEMメーカーは他にどのような会社があるでしょうか。
ここでは注目の会社を紹介したいと思います。
株式会社ハピネス

会社名 | 株式会社ハピネス |
本社所在地 | 〒170-0011 |
公式サイトURL |

株式会社ハピネスは、スキンケアやボディケア、ヘアケアなど多彩なジャンルの化粧品製造に対応できる充実した設備と豊富な実績を持つOEMメーカーです。
自社ブランドを立ち上げたい企業や個人にとって、柔軟な対応力と提案力で頼れる存在となるでしょう。中でも、小ロットから製造可能な点が特徴で、例えば300mlのシャンプーであれば約200本からの生産が可能という点は大きな魅力です。
また、年間4,000点以上の製品を安定的に出荷しており、多くの依頼者との取引実績を積み重ねる中で、目的やコンセプトに合った製品づくりを提案しています。
株式会社ハピネスがおすすめな人

特に、下記のようなOEMメーカーを探している方には非常におすすめだと言えるでしょう。
まずは小ロットから初めて、段階的にロット数を増やしたい
自社ブランド製品を簡単に作ってみたい
どんな商品を作ろうか迷っている
個人事業主、個人経営のサロンから自社ブランド品を出したい
プチOEMを試してみたい
もし一つでも気になったら、ホームページにアクセスしてみてはいかがでしょうか。
【クリック】株式会社ハピネスのOEMを検討してみる
最後に

この記事では、TOAの会社概要や特徴を紹介してきました。
非常に長い歴史と共に培われたノウハウと、研究開発によって独自成分等に強みを持つ会社なので、「大ロットで最新の研究に基づいた化粧品が作りたい」という方にはピッタリだといえるでしょう。
ただし、TOAは依頼主が法人であることと、最小ロット数が大口である点だけがネックなので、もし小ロットや個人事情主や個人サロンでも自社ブランド化粧品が作りたい場合は、紹介した会社も検討してみてください。
あなたが素晴らしい自社ブランド化粧品が作れることを心から願っております。
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